東京都市大学 校友会 都市 vol.10 2023 March
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22建設当時の原子力研究所の様子フレッシャーズ・キャンプで上野の国立東京博物館を見学科学体験教室に化源会の3グループが出展現在の原子力研究所の様子新10号館の吹き抜け廊下新10号館5階に移転した学生実験室主任教授 高橋 政志 未だコロナ禍が収束していない状況でも世間的には危機意識が大分薄らいできたようで、都市大でも4月から対面での授業再開となってようやくキャンパスに活気が戻ってきました。本学科も92名の新入生を迎え、応用化学科としての2年目を順調にスタートさせています。このところ対外的に化学系の学科として認知されてきた影響か、1年生の女子比率が35%を超え、全体でも30%となって大分華やかになりました。また、学部名称と学科名称の変更が続いたことで、3通りの学部名・学科名の組み合わせ(4年生:工学部エネルギー化学科、3年生:理工学部エネルギー化学科、1・2年生:理工学部応用化学科)が混在しています。大学の行事に関しては、今年度はフレッシャーズ・キャンプで学外での行動が許可されたことから、桜咲く上野公園内を班単位(7~8人)で巡るプログラムで国立東京博物館や国立科学博物館などを見学しました。オープンキャンパスや科学体験教室、世田谷祭なども規模を抑えつつ対面で実施でき、これらのイベントに学科研究会(化源会)が積極的に参加して活躍していたのが印象的でした。 学科教員については今年度顔ぶれに変化がなく、皆さまに報告すべきニュースも、宗像先生が立て続けに起きたパソコンのトラブルで四苦八苦したことくらいしか思い当たりません。しかしながら、昨年度着任された秀島先生と大野先生を加えた全教員が協力して、日々教育と研究にあたっていることを申し添えさせていただきます。校友会の皆さまには今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申しあげます。主任教授 鈴木 徹 原子力安全工学科では2022年度に50名の新入生を迎えました。2020年初頭より猛威を振るって来た新型コロナの影響によって恒例のフレッシャーズキャンプ(例年1泊2日)は2021年度まで実施できませんでしたが、2022年度は日帰りながら東海村のテラパークと原子力科学館の見学に行くことができました。また、その翌日には新入生全員を世田谷キャンパスの大教室に集めてテーマディスカッションとプレゼンテーション大会を開催し、都市大でこれから原子力を学んでいく意識の醸成につなげました。新型コロナの影響で目まぐるしく変化した授業形態も2022年4月からは教室における対面形式の講義が主体となり、キャンパス内にも活気が戻って来ています。 世田谷キャンパスでは敷地の約1/3に相当する建物をリニューアルする工事が進められてきましたが、新10号館の第1期工事の完了を受けて2022年9月、原子力安全工学科の全研究室と学生実験室、学科多用室が移転しました。当学科はこの新10号館の最上階に位置することになり、その素晴らしい眺望と最新の設備とともに数年後の「都市大創立100周年」に向けて益々の発展が期待されています。卒業生の皆様がリニューアルを遂げた原子力安全工学科にお越しいただけること、教職員一同、楽しみにしております。今後も優秀な人材を社会に送り出すべく、積極的な活動を続けていきますので、ご支援・ご指導の程、宜しくお願い致します。主任教授 橋本 義武 自然科学科は定員25名で発足してから2022年度で14年目となります。理工学部自然科学科となってからは3年目、現在の定員は60名です。歴史ある他学科の皆さまから教えられ支えられて歩んで参りました。2019年度の水害、2020-22年度のコロナ禍と、厳しい状況が続いており、学科の教育だけでなく全学の数学・理学の基礎教育をも担っている自然科学科各教員は、オンライン授業への対応等で多忙を極めておりますが、学生さんたちのため、本学の発展のため我々にできることをしっかりやって参りたいと思っております。 2022年3月をもって長年自然科学科のため武蔵工業大学・東京都市大学のため尽力された天然物化学研究室﨡原絹子講師が退職しました。これまでのお働きに感謝しております。代わって9月に田中健太郎准教授が赴任し、新しく生物地球化学研究室(LaboratoryofBiogeochemistry)を立ち上げました。自然科学科にまた新しい風が吹き、ますます充実した研究・教育が行われる学科となりますことを信じ、願っております。 この場をお借りして自然科学科メンバーの2022年の活動を一部ご紹介いたします。6月に萩谷宏准教授を筆頭著者とする図鑑NEO『岩石・鉱物・化石』(小学館)が出版されました(写真左)。8月に西村太樹准教授が原子核三者若手夏の学校の講師を務めました(写真右)。8月に中島保寿准教授の化石に関するコメントが毎日新聞に掲載されました。9-11月に津村耕司准教授の提案によるNASAの宇宙望遠鏡JWSTの観測に関する同准教授のコメントが新聞各紙に掲載されました。11月に自然科学専攻修士1年の福井陽喜さんが第5回都市大研究プレゼンコンテストで優秀賞を受賞しました。■応用化学科■原子力研究所施設管理室長 内山 孝文(2001エネルギー基礎)「五島慶太翁の情熱のこもった原子力研究所」 東京都市大学には、研究用原子炉施設・東京都市大学原子力研究所があるのをご存じですか。1960年に神奈川県川崎市麻生区王禅寺の地に開設され、今年で開設から62年目となりました。本原子力研究所は、開設当時の学校法人五島育英会理事長であった五島慶太先生が、今後、原子力の平和利用の研究が科学技術の発展と産業の将来に極めて重要な関係をもたらすであろうという将来を見据え時代を先取りする並々ならぬ情熱の下に開設されました。開設後は、その精神を引き継ぎ様々な研究が行われ、数多くの研究実績を残すと共に、社会・産業界に多くの人材を輩出し今日に至っています。現在は、廃止措置中の原子炉となり、原子炉の運転は行われていませんが、新たに導入した放射線発生装置や放射性同位元素・放射線を活用した学生実験や研究、そして、原子炉の廃炉に向けた研究、放射性廃棄物の処理処分問題等に関する研究等、研究や教育活動の場として今もなお研究所の情熱の火は灯り続けています。当施設の活動状況等については、HPでも紹介しております。是非一度ご覧ください。(原研HP:https://atomsun2.atom.tcu.ac.jp/)■原子力安全工学科■自然科学科

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