東京都市大学 校友会 都市 vol.10 2023 March
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7国際会議にて発表国際会議参加~<右から1人目>◎大学時代の思い出 今となっては教養科目も大事だと思いますが、当時はもっぱら専門科目に興味を持っていました。中でも解剖学や生理学よりも機械や制御の方が興味を感じ、手術ロボットをテーマとする研究室へ進みました。配属後はのめり込むように、シミュレータを組んだり、試作機を設計したりしていました。指導教官の和多田教授のご指導もあり、卒業まで多くの学会にて報告する機会に恵まれ、濃密な大学生活だったように思います。◎現在の仕事内容(会社概要等) 卒業後はインターンシップで社風がわかっていたコニカミノルタ株式会社へ入社しました。その後、希望通りの医療機器開発業務にあたり、開発者・企業人としてのイロハを学びました。一方で配属部門は全社から堅実な利益を出すことを期待され、コロナ禍も相まって経営資源を絞って利益を最大化する戦略にありました。短期的ではあれ経営資源の少ない環境は、若い自分には不利益と判断し、飛び出しました。その後、テルモ株式会社で開発に従事し、場数は増えたのでひとまず目的は達成できているように思います。◎仕事で心がけていること あるべき姿を描き、現状とのギャップを埋める行動をするよう心懸けています。以前は性能の良いモノを作れば売れる時代だったのに対し、今はコト売りの時代だと良く耳にします。その中で開発者への期待も変化していると感じます。そこで、私は目の前の製品を開発するだけでなく、事業として大きく捉えるように意識しています。その為に、製品を取り巻く背景を理解し、自分なりの課題を設定し、製品に落とし込むことで自分の仕事とするように意識しています。◎社会の求める大学像、学生像とは? 何事も誰かに言われてやるのではなく、自分なりの仮説や未来像を描いて行動することが重要だと思います。その為にまずは内から湧く”問い”が必要です。問いは好奇心や経験などから生まれる感性だと思います。大学は特定の体験を学生に提供し、気付きを与えられると感性を醸成できるかも知れません。学生は自ら貪欲に体験に遭遇し、自分らしさとして行動に取り込んでいく事が大事に思います。そういった大学と学生を社会が求めているのではないでしょうか。◎今後(未来)の大学に求める役割とは? 個人や組織は、経験に基づいた先入観で無意識に答えを決めつけている場合があります。これは転職をした結果、良い悪い両側面ありますが、想像以上に固定観念としての企業文化があるということを感じました。現状を客観的に分析したり、背景は何?と一呼吸置いたり、こうあるべきと思う感性、また他を受け入れる姿勢を培う場が大学であると良いなと思います。そんな場で多様な感性を持った人を育む場所が魅力的な未来大学なのでは?卒業生(在学生)へのメッセージ 大学を出れば、多くの人が遅かれ早かれ就職するかと思います。これからは年功序列の終身雇用から、成果主義のジョブ型雇用へと変わります。人財が流動化する事で思い描くキャリアパスを能動的に取りに行くチャンスが広がりましたが、スキルのない人は取り残される可能性もあります。常に自分の価値を見出しながら、次はどうあるべきかを自問自答する事が大事です。大学生活はその判断や価値観を醸成する原体験やキッカケ作りに時間を費やせる貴重な時間です。是非たくさんの経験に出会ってみて下さい。 滋賀県彦根市生まれで、小学校まで地元で友達と琵琶湖で泳いだり、近所の川で鮎を捕まえたりして遊んでいました。中高生時代は、部活漬けの日々でした。とある日は午前に100mを100本泳いで、午後はボールを使って暗くなるまで練習、合宿の晩飯は白米3合食べるような古典的な体育会系でしたが、結果的に肉体的・精神的には鍛えられました。辛いなりに続けられたのは、どこかで無意識のうちに楽しさや達成感を感じていたんだと思います。松尾 貴文 氏経歴: 2013年3月:東京都市大学 工学部 生体医工学科 卒業   2015年3月:東京都市大学 大学院 工学研究科 生体医工学専攻 修了   2015年4月:コニカミノルタ株式会社 入社   2020年10月:テルモ株式会社 入社活躍する卒業生

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