東京都市大学 校友会 都市 vol.10 2023 March
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8修学旅行での写真運動会でクラスカラーの服を着た写真進級時の写真-研究室での思い出といえばどんなことがありますか? 研究室では、吉野先生に教えていただき、今では考えられないような難しい数学について学びました。当時、応用数学研究室には部屋が用意されていなかったので、卒業研究は図書館やファミリーレストランで進めていました。吉野先生が「数学は紙とペンさえあればどこでも考えられるから良いのだ」とおっしゃっていたのが記憶に残っています。また、所属している学生が3人だけだったので、少人数で手厚く教えていただきました。3人とも数学が好きだったので、難しくて1人では解決できない課題に直面した時には、休み時間を使って空き教室で一緒に考えました。黒板に数式が残るのがなんだかかっこよくて、あの時間はとても楽しかったです。-学校の先生になろうと思ったきっかけを聞かせてください。 数学が好きで、子どもたちに教えたいと思ったのがきっかけです。恥ずかしい話、初めは「私が数学を教えたいから先生になるんだ!!」と自分勝手なことを思っていました。しかし教職課程で、授業以外にも子どもが成長する機会がたくさんあることを知りました。学んでいくうちにだんだん「生徒のために働きたい」「生徒を一人前にしたい」という気持ちが強くなりました。授業や学級で生徒に寄り添い、成長に関わっていきたいと思ったので、試験を受けて合格できた時にはすごく嬉しかったです。-学校の先生は日々とても忙しいと思いますが、特に印象に残っている業務の経験があれば教えてください。 働き始めてから3年目の時に、合唱コンクールの主担当を任されました。初めて大きな行事を動かすことになったので、分からないことが多く、先輩方に助けてもらいながら進めましたが、スケジュール管理や特別支援学級への配慮など、なかなか上手くいきませんでした。それでも子どもたちにとって行事はとても印象に残るものなので、いい形で終わってほしいという思いがあり、がむしゃらに働いた記憶があります。 当時は初めて担任として1年生を受け持っており、クラスでの合唱指導もうまくいかず、担任としても主担当としても、行事が成功するのか、本番当日までハラハラしていました。当日は周りの先生方の支えもあって、なんとか乗り切ることができました。最後に最高学年である3年生の素晴らしい合唱を聴くことができ、やってよかったと感じました。企画、運営はとても辛かったけど、この仕事をしている中で自分が大きく成長した期間だったと思っています。-本誌は3月の学位授与式に合わせて卒業される皆さんにも配布されます。今日卒業を迎える皆さんに一言メッセージをいただけますか? 卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。この4年間で、どれだけの成長をしましたか?私が子どもの頃は、大学生ってもっと大人なイメージがありました。だけどそんなことはなくて、大学生の間に知ったことはとても多く、新鮮な毎日でした。みなさんも大学で学ぶことは多かったのではないでしょうか。私も、きっとみなさんも東京都市大学で過ごした時間にたくさん成長したはずです。 今日卒業の日を迎え、4月からは就職をする人、大学院に進む人など、色々な人がいると思います。これからの生活で、楽しいことも、時には辛いこともあるでしょうが、それでも、その一つひとつの経験がみなさんの大きな成長へ繋がり、大切な思い出になればと願っています。一度きりの人生ですから、目一杯楽しみましょう。応援しています!山本 未紗稀 氏東京都大田区出身2017年東京都市大学自然科学科卒業、研究室は吉野邦夫先生の応用数学研究室。東京都の教員採用試験を受け、大学卒業と同時に教員に。現在は世田谷区の中学校で数学を教えているほか、生徒会担当や演劇部顧問を務めている。在学時は、自然科学科・学生会に所属し、会長も務めた。-本日はよろしくお願いします。コロナ禍ということでオンラインにてインタビューさせていただきます。学生時代の思い出として、印象に残っている授業やイベントなどについてお話を聞かせてください。 教職の授業が印象深いです。4年間かけて、教科指導や生活指導などにおいて、生徒を一人前にするためにどう指導していくのかを学びました。「生徒を主人公にする」「3年間でたくさんの成長を見守る」という先生方の姿勢からは学ぶことが多かったです。より内容を深めたい授業は、一度単位を取ってからもう一度参加させていただくこともありました。特に印象に残っているのは「合唱コンクールの自由曲が決まらず、投票でも同数でわれてしまった時にどのように決着をつけるか」という場面指導の授業です。グループになって指導の方針をたてる中で、互いの歌の良いところを挙げる指導を考え、みんなの前で発表しました。この授業を通して、クラスのことを子どもの力で決めることの大切さを学び、それは今現場で活かされています。

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