如学会ニュース
山岡会長就任挨拶
「学ぶに如かず」
新しい【如学会】を原点から考える
-如学会活動の新方針-
今年度の役員改選により、私は第11代の如学会会長をつとめさせていただくことになりました。
「武蔵工業大学75年史」(平成17年3月/五島育英会・武蔵工業大学発行)によると「初代会長・木村幸一郎(任期不詳)、第2代・佐々木孝之助(任期不詳)、第3代・蔵田周忠(昭和7-昭和41)、第4代・三木韶(昭和41-昭和56)、第5代・片山恂一(昭和56-60、S12卒)、第6代・笹原貞彦(昭和60-平成11、S13卒)、第7代・古畠誠一(平成11-平成14、S25卒)、第8代・畑和男(平成14-平成17、S31卒)」とあり、その後の第9代・岩﨑堅一(平成17-平成21、S37卒)、第10代・白鳥健二(平成21年―平成24年、S41卒)、そして第11代の山岡嘉彌、ということになります。
歴代会長の錚々たる顔ぶれと優秀な業績を残された多くの諸先輩方を想うとき、改めて重責に身が引き締まる思いでおります。そうした如学会員の先輩方、後輩達の並々ならぬご努力によって培われた武蔵工大、東京都市大へと連なる伝統的な如学会のDNAや豊富な人材やネットワークは、日本の建築界では一目置かれ、つとに知られているところであります。これを維持、発展させて次の世代へとつなぐ重要な役割であると、自覚を新たにしております。私は第6代会長である笹原貞彦先生の頃から約20年来、如学会の執行部の一員として関わってきました。私の経験を通して、簡略に「如学会」の流れを記してみたいと思います。
笹原会長までの歴代6人の会長は、全員大学の建築学科の主任教授あるいは名誉教授で、如学会も恩師とそれをとりまく師弟達で、会長(=主任教授)+幹事(=世話人)で永く構成されていました。笹原会長の次の代の第7代古畠誠一会長から民間設計畑からの就任で、それを機に吉田勝氏(S43卒、今年度より武蔵工業会・副理事長)と私で新たに「委員会制度」を導入し、「総務」、「事業」、「広報」、「会員」の4つの委員会を立ち上げました。その後、「総務」から「財務」を独立させ、2006年「建築100人展」開催、寄付講座委員会の発足、新たに2007年より「展示委員会」、その後「NPO委員会」の発足と独立などの変遷を経て、本年度より「青年委員会」を立上げ、計8つの委員会に成長してきました。
「如学会NEWS」は1936年(昭和11年)創刊ですが、その頃は主に建築学科のカリキュラムなど多くの記事は学科内部のものが多く、必ずしもOB対象ではありませんでした。一時期の如学会活動、「如学会NEWS」の休刊時期(約10年)を経て、笹原会長の代で再興を果しました。その後、「1999年春」号と10年後の「2009年春」号に「如学会NEWS」の大幅な刷新、「建築OB100人展」の開催に伴い、100人展作品集である「記念誌」の刊行、2009年新たに「如学会メールマガジン」の発信、建築学科教室と協力しての建築学科の内容とOBの活動を伝える「イヤーブック2010-2011」の発刊など、様々な提案とその実行に関わってきました。編集長となり13年間、年2回発行の「如学会NEWS」も27冊となり、この春の「2012年春号」を最後に編集長を交替しました。
さて、今年度の如学会は既に7月に「第1回技術見学会」として清水建設技術研究所見学、8月には恒例のOB17人による15講座の「夏期特別講座(寄附講座)」、10月には、被災地の復興状況のさまざまな様子を視察する「被災地視察の研修ツアー」を行ないました。今後11月には24-25日に7年目を迎える「建築100人展」と建築学科、都市工学科主催、如学会・緑土会協賛による昨年に続く「考・東日本大震災のシンポジウム」、11月29日には、理事、常任理事、職域理事、地域理事が一同に会する初の「合同理事会」、12月には「建築学科教室との交流会」などが予定されています。ご多忙の日々とは存じますが、多くの会員の方々の様々なイベントへのご参加をよろしくお願いします。
一方、新たな体制の組織化を推し進める如学会では新しいスタッフである理事、委員を募集しております。現在の理事を中心とする執行部が懸命な努力をしておりますが、健全な財政運営、活発な事業の推進のためには、まだまだスタッフ数が足りません。本号掲載の組織表や各委員会の内容をご覧いただき、大学と建築学科教室、学生そして同窓の方々のためにOB仲間と共に活動してみようと思う方は自薦、推薦いずれでも結構ですのでお申し越し下さい。それは前述の如く、かつては「幹事会」が永く続いておりましたが、委員会の充実と共にスタッフ不足により、委員長の負担が極端に大きくなる傾向に陥っておりました。そこで、このほど「理事+委員会」というカタチに組織改革し、各委員会所属の委員としての常任理事を大幅に増やすことにしました。
運営方針に示す一覧の如く様々な方針を掲げさせていただいておりますが、なんといっても急務は「財務の改善」です。非営利団体共通のこの難題への取り組みは、組織存続のためには避けて通れません。7年前財務改善の窮余の策であると共に、会員の皆様の発表と交流の場となるOB「建築100人展2006」を初開催してから7年。既にこの「100人展」は定着し、例がない画期的な試みとして他校からも一目置かれております。その「建築100人展」の出展料収入や協賛金、支援費が会員の年会費の不足分を補っているのです。在学時如学会から様々な援助(研究会、卒業制作展、蔵田賞、如学会賞など)を行なってきた若年世代の納入率が低く、実質会員が少ないことは財務上の問題のみならず、会の存続に大きく影響してきます。
今年度から「青年委員会」が発足し、若い世代の協力と活動の場が広がりつつあり、新しい息吹が感じられるようになりました。若い世代の提案にも期待しておりますので、是非ご参加いただき如学会全体が一層活発になるよう若いお力を貸して下さい。そして、如学会は「産学連携」などによって異業種の仲間達との連携や、大学との単なる奉仕活動だけではなく、実務的にもメリットのある団体としての歩みを進めていくことで、各方面と協議を始めています。
年輩の方々や若年の方々が多くの叡智を出し合うことによって、会の発展につながるものと考えております。
2012年11月12日
如学会NEWS2012秋号より抜粋