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在校生・卒業生・先生方の研究発表の広場

在校生・卒業生・先生方の研究発表の広場
 
 毎年緑土会では、学部学生3名に緑土会賞,大学院の修士論文発表会で優秀な発表を行った学生に、緑土会優秀発表賞を授与しています。
今回は,大学院優秀発表者3名の修士論文概要集を掲載することにしました。(詳細は各概要下のリンクから)
 
1、上村健太郎(地盤環境工学・末政研究室)
2、石垣拓也  (地盤環境工学・末政研究室)
3、丸林修   (水圏環境工学・長岡研究室)
 
1、学生氏名 上村健太郎(地盤環境工学・末政研究室)
  シリカ微粒子の土粒子間注入に関する研究
1964年に発生した新潟地震を契機に液状化現象が注目されるようになった.これ以降,数多くの液状化対策工法が開発され,実用化された.しかし,既存の液状化対策工法の多くは施工機械が大きく,既設構造物直下では適用することが困難である.一般的にこのような構造物に対しては浸透固化工法が採用される.浸透固化工法には,長期耐久性を有する薬液や砂質地盤に対して十分な浸透性を有する懸濁系グラウトが用いられる.しかし,これらの注入材は高価である.このような背景から,本研究では比較的安価なシリカ微粒子の浸透注入による液状化対策工法を提案する.本論文では,微粒子の浸透性を解明するために一次元注入実験および実験の再現解析を行い,浸透メカニズムを明らかにするとともに,微粒子により改良された砂に対する液状化試験を行い,改良効果を把握した.その結果,実験により微粒子の目詰まり現象を把握するとともに,提案したモデルによって目詰まり現象をシミュレートすることができた.また,液状化試験により微粒子の注入による骨格の強化に伴う液状化強度の増加が確認された.

2、学生氏名 石垣拓也(地盤環境工学・末政研究室)
  熱伝導を利用した原位置地盤熱伝導率探査法および含水比推定の検討
近年,二酸化炭素排出量の削減や,地球温暖化やヒートアイランド現象の抑制につながるとして再生可能エネルギーの一つである地中熱利用が注目されている.地盤の熱的利用には,事前に地下の熱伝導率を把握し適正な設計・評価を行うことが重要である.地盤の熱伝導率などの諸熱物性は地盤含水率などの地質環境特性と密接な関係があるため原位置における計測が望ましいと考えられる.そこで,本研究では宅地地盤の主な地盤調査法であるスウェーデン式サウンディング試験(以下SWS試験)を利用した簡易地盤熱伝導率探査装置を作製し試験を実施した.本研究で作製した装置は,SWS試験による掘削孔に挿入することで地盤内にて加熱・計測を同時に行うことができ,この装置を用いて地盤の熱伝導率の算定を行った.また,地盤の熱伝導率はその含水率や含水比に依存することからその関係性について調査し,熱伝導率と含水比の実験式から,本試験における含水比推定法を提案した.
(本論はこちら)
 
3、学生氏名 丸林修(水圏環境工学・長岡研究室)
  膜分離活性汚泥法(MBR)における曝気による膜面洗浄高効率化へ向けた研究
浸漬型膜分離活性汚泥法における施設の省エネルギー化実現に向け,膜ユニットに邪魔板を設置し,流体の挙動を制御することによるファウリング低減の可能性を検討した.散気管より発生したエアを邪魔板に溜めてから放出させることにより,粗大気泡を発生させることができ,膜面空間平均せん断応力が通常の曝気方法よりも1.5倍程度大きくできることが示された.また,邪魔板より発生した気泡は,スラグ流に近い状態で膜間へと侵入し,瞬間的に大きなせん断応力を膜面に与えることが示され,スラグ流がファウリング抑制に効果的である可能性が示唆された.本研究により,MBRへの邪魔板適用の有用性が示唆された.
(本論はこちら)